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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*おニブちゃん*

 



 同じ部活で

 いつも一緒に帰る君。

 いつも一緒にいるのに

 君は気付かないの?


 あたしね

 君に恋してるんだから。



 *おニブちゃん*


 「お前、スキな人とかいるわけ?」


 夕方の帰り道。

 君とあたしの二人きり

 肩を並べて歩く君が

 いきなりそんな質問を投げ掛けた。


 「なに、急に」

 
 驚きながらも

 平然を装って問いかえす。


 「深い意味なし。
   ただなんとなく」


 ねぇ

 君はココであたしが

 君にスキだってキモチを伝えたら

 どんな顔するんだろうね。

 やっぱびっくりしちゃう?

 それとも

 笑い流しちゃう?



 「そういうそっちこそ、いんの?」


 肘で君をこつきながら

 問い掛けるあたしに



 「いるよ」



 笑顔で返してくるんだもん。



 ちょっと

 泣きたくなっちゃったじゃん。



 「そいつがまた鈍くてね~」



 あんたも人のこと言えないよ。

 ずっと一緒にいるあたしが

 隣で心臓バクバクさせてることに

 これっぽっちも気付かないんだもん。


 
 「そりゃ大変」


 ココロないあたしの言葉。


 自分から聞き返しておいて

 自分で傷付くなんて

 あたしもおバカだね。




 いつもの別れ道。

 君はあたしに手を振った。



 「じゃぁ、また明日な。
       おニブちゃん」



 

 「・・・え?」




 少しずつ遠ざかる君の背中。




 君の言葉を

 理解するのには

 もうちょっと時間

 かかりそうだよ?




 だって、あたし

 “おニブちゃん”だもん








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bbs

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